税務調査で指摘されやすい相続税申告のミス|事例で分かりやすく

更新日:2025年5月28日

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相続税の申告は、被相続人(亡くなった方)の財産全体を正確に把握し、評価・申告・納税する必要があります。

しかし、日常生活では意識しないような項目も対象になるため、思わぬ見落としや誤りが発生しやすく、税務調査での指摘リスクも高い分野です。

実際に税務署が相続税の調査で重点的に見るポイントと、よくある申告ミスの実例を紹介します。

 

【1】現金・預金の申告漏れ

事例①

被相続人の通帳に記載されていない「タンス預金」が約1,000万円あったが、相続人が把握しておらず申告しなかった。

解説

亡くなる直前の預金通帳から引き出された履歴もないし、いつから自宅にあったのかも分からない場合もあるでしょう。

しかし、相続人も分からなかったから税務署も分からない、ということはありません。税務署は強力な調査権限で預金通帳の入出金履歴を追うことができますので、タンス預金を申告に含めなかったことは税務署は容易に知ることができます。

 

事例②

亡くなる直前に被相続人の預金通帳から引き出した分を申告しなかった

解説

預金残高は亡くなった日時点の残高で相続税を計算します。ですから、亡くなる直前に引き出せば残高が減りますので相続税対策になると思われがちです。

しかし、税務署は死亡前の預金引き出し履歴やATMの出金記録を精査し、使途不明な現金を「申告漏れ」と判断することがあります。

亡くなる直前にまとまった金額を引き出していた場合、その資金がどこに消えたのかを説明できないと、申告漏れと認定されやすくなります。

 

【2】名義預金(孫や子供名義の口座)

事例

被相続人が長年、孫名義の口座に毎年100万円ずつ貯金していたが、実際は孫が口座の存在も知らなかった。

解説

形式上は他人の名義でも、実質的に被相続人が管理・運用していた預金は「名義預金」として課税対象になります。

贈与は「贈与する側・される側の意思の合致」が必要条件で、受贈者が贈与を認識していない場合、真の贈与と見なされません。

名義だけ孫や子にしている預金は、被相続人の財産として申告する必要があります。

 

【3】生命保険金の非課税枠の適用ミス

事例

相続人が2人いたが、500万円×2=1,000万円の非課税枠を超えた保険金を受け取った際に、全額を非課税だと思い込み申告しなかった。

解説

生命保険金は、相続人1人あたり500万円まで非課税という特例がありますが、超えた分については課税対象です。

また、相続人以外(例:内縁の配偶者や孫など)が受け取った場合は非課税枠が適用されず、課税対象額が大きくなる点も注意が必要です。

産国:No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁

 

【4】不動産の評価誤り

事例

路線価による評価をせず、固定資産税評価額のまま申告してしまい、本来の評価額よりも過少に申告した。

解説

相続税申告では、土地は「路線価方式」または「倍率方式」で評価します。

誤って固定資産税評価額をそのまま使うと、過少申告と見なされる可能性が高くなります。特に市街地の土地や借地権付きの不動産は評価が複雑になるため、専門家による精査が不可欠です。

 

【5】貸付金・未収入金の漏れ

事例

被相続人が親族に貸していた資金(契約書なし)が3,000万円あったが、家族も知らなかったため未申告。

解説

貸付金、売掛金、未収家賃などの「債権」も相続財産に含まれます。

契約書や振込記録、帳簿がない場合でも、貸付事実が立証できれば課税対象になります。

税務署は被相続人の預金の出入りや通帳メモなどを手掛かりに、過去の資金の動きを追って調査します。

 

【6】葬式費用の控除ミス

事例

香典返しを葬儀費用として控除していたが、税務調査で否認された。

解説

相続税の計算では、葬儀にかかった費用を一定範囲で控除できますが、「香典返し」「初七日以降の法要費用」などは控除対象外です。

支出内容を領収書等で明確に区分し、控除対象と非対象を整理しておく必要があります。

参考:No.4129 相続財産から控除できる葬式費用|国税庁

まとめ

相続税申告は、財産の種類や取引の履歴が複雑に絡むため、思いがけないミスが起こりやすい手続きです。しかし、税務署は過去の通帳の動きや贈与履歴、名義預金の実態など、非常に細かい点まで確認してきます。

そのため、申告にあたっては、まず被相続人の財産を漏れなく洗い出すことが何より重要です。

あわせて、生前に行われた資金の移動や親族間のやり取りについても、できる限り記録や証拠を確認し、第三者が見ても合理的に説明できる状態にしておくことが求められます。

さらに、財産の評価方法や非課税の適用範囲など、専門的な判断が必要な場面も多く存在します。そうした判断に迷ったときは、税理士などの専門家に相談し、事前にチェックを受けておくことで、調査リスクや追徴課税の不安を大きく減らすことができます。

相続税の申告においては、「知らなかった」や「うっかりしていた」が命取りになることも少なくありません。大切なご家族の財産を守るためにも、慎重に、そして確実に申告を進めることが何よりの安心につながります。

 

 

 

 

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