相続で活用【名寄帳とは】取得方法、費用、必要なケースを解説
公開日:2024年11月20日
さいたま市浦和・大宮を中心に相続税のご相談を受け付けています。埼玉あんしん相続相談室です。
相続財産に土地や家屋があった場合、「名寄帳」の取得をおすすめすることがあります。
名寄帳では、亡くなった方が所有する不動産を一覧で確認することができます。
不動産を多く所有している場合などは必要になることもあります。
この記事では名寄帳について見方や取得方法、そのほか注意点などもご案内していきます。
名寄帳とは
土地や家屋などは市区町村ごとに固定資産課税台帳を作成しています。
名寄帳は、この土地と家屋の固定資産課税台帳について所有者ごとに一覧にまとめた帳簿です。
所有者ごとにまとまっていることで相続においては、被相続人が所有していた不動産の全容を把握するために有効に活用することができます。
把握することで相続人同士、適切な分配を行うこともできます。
また、相続税の申告においても、正確な不動産情報が必要となるため、名寄帳は重要な役割を果たします。
そして、固定資産税が課税されない山林や農地、私道などは名寄帳のみに記載されている場合があるので相続財産に非課税の不動産があったら名寄帳で確認をします。
名寄帳の費用や取得方法
名寄帳は該当の不動産所在地の市区町村役場で取得もしくは閲覧ができます。
相続税の申告で必要であれば書面で取得しましょう。
誰が取得できるのか
名寄帳を取得できるのは不動産の所有者(納税者本人)が原則です。
ただし、亡くなっている場合は法定相続人が取得することができます。
また、専門家などに依頼して、代理人として取得してもらうこともできます。
必要書類
市区町村役場の窓口で名寄帳の交付申請書を提出します。
申請書は役所のホームページからダウンロードできる場合もあります。
提出書類をまとめると、
・名寄帳交付申請書(各役所ごとで書式を確認しましょう)
・本人確認書類(免許証やマイナンバー)
・被相続人の除籍謄本(亡くなったことがわかるもの)
・相続人の戸籍謄本(相続人であるとわかるもの、法定相続情報一覧図の写しなど)
・委任状(代理人が申請する場合)
費用
名寄帳の取得費用は市区町村によって異なりますが、200円~300円ほどです。さいたま市は200円です。
参考:新年度の固定資産税・都市計画税証明書の交付について|さいたま市
もし、窓口に行けず郵送で申請をする場合は定額小為替を同封して取得費用を支払います。
名寄帳が必要になるケース
名寄帳は被相続人が所有していた不動産を把握するために活用しますが、別の具体的な理由としては次のケースがあります。
固定資産税課税明細書を紛失した
課税明細書を紛失したり、遠方に住んでいて被相続人の住まいまで確認に行けなかったり、明細書を用意できない場合に取得します。
固定遺産税が課税されない不動産(山林や農地、私道、公衆用道路等)を所有していた
所有する不動産の固定資産税が非課税でも、相続税も非課税とは限りません。そのため名寄帳を取得します。
共有名義の不動産を所有していた場合
共有不動産の場合、固定資産税課税明細書は代表者に送られます。共有で不動産を所有していても代表者でない場合、名寄帳で確認することもあります。
名寄帳の見方、取得方法の注意点
名寄帳を取得、活用する際の注意点は以下の通りです。
複数の自治体に確認
被相続人が複数の自治体に不動産を所有している場合、それぞれの自治体で名寄帳を取得する必要があります。
全ての不動産を把握するためには、各自治体に問い合わせる必要があります。
もし不動産がどこにあるのか不明な場合は名寄帳を取り寄せることはできません。
その年の取得、売却は反映されない
名寄帳や固定資産課税台帳は1月1日時点の情報です。
1月2日以降に取得した不動産は記載されません。
一方、売却している可能性もあるので、名義を確認するためには登記簿謄本の取得をおすすめします。
法人名義は載っていない
名寄帳の不動産は個人名義のみです。
会社が所有する法人名義の不動産は記載されませんので注意しましょう。
名寄帳を作成していない、取得できない
名寄帳を作成していない自治体もあります。固定資産課税台帳が名寄帳を兼ねていることがあるからです。
また取得できない自治体もあるため、こういった場合は固定資産課税明細書の再交付を受けることになります。
まとめ
名寄帳は不動産の所有者ごとに市区町村が作成したもので、相続財産の調査に活用されます。
不動産が複数ある場合、固定資産税課税明細書では見落とす可能性もあります。相続税の手続きは煩雑になりがちなので、確実に相続財産を把握するためにも名寄帳は有効な帳簿です。
名寄帳の内容や相続手続きについて不明点がある場合は、専門家に相談しましょう。
代理で名寄帳を取り寄せることもできますし、どこに不動産があるのか分からない場合に調査してくれるケースもあります。
専門家のサポートを受けることで、手続きがスムーズに進みますので悩まずご相談ください。
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