認知症の相続人|成年後見人のメリット・デメリット

公開日:2022-10-20

さいたま市浦和・大宮を中心に相続税のご相談を承っています。埼玉あんしん相続相談室です。

家族の中に認知症の人がいる場合、相続が発生した時の対応が変わってきます。

例えば、認知症の人は遺産分割協議に参加することが出来ないので成年後見人をつける必要があります。

ただし、成年後見人制度の利用には十分に考える必要がありますので、メリット・デメリットも理解した上で決定しましょう。

将来、相続人の中に認知症の人がいて、対策を考えている方はこちらをご参照ください。
「相続人が認知症|成年後見人と対策」

 

認知症の相続人がいた場合の問題点

認知症とは正常な判断ができないとされていますので、相続人が認知症だった場合、代理人として成年後見人をつける必要があります。

●認知症だと遺産分割協議に参加できない

判断能力がないとされる方が法律行為をおこなうと無効であると民法で定められているため、認知症の方は遺産分割協議に参加することができません。

遺産分割協議は相続人同士で話し合って、相続財産を分けることです。話し合うためには認知症の人の意思決定能力が必要になるため、成年後見人という代理人をつけて参加する必要があるのです。

ただし、法定相続通りに財産を分ける場合は、遺産分割協議の必要はありません。

●代理人は親族でも勝手になれない

認知症の相続人の親族や親であっても、手続きをせずに代理人になることはできません。

家庭裁判所に成年後見人の選出を申し立て、審理がおこなわれてから決定されます。

●認知症の人を除いて遺産分割協議はできない

もし、認知症の人を除いて遺産分割協議をおこなったり、代理人なしで認知症の人を参加させた場合は、協議内容が無効になります。

相続人全員が判断能力を持つ状態で協議をしなければなりません。

●署名を家族が代筆できない

認知症の人が遺産分割協議などに署名できない場合に、家族が代筆すると無効になる上、私文書偽造として罪に問われるかもしれません。

●相続放棄させることはできない

判断能力のない認知症の人は、自ら相続放棄ができません。

認知症になる前に「遺産はいらない」と伝えていても、認知症になったあとに発生した相続ではその言葉に効力はなく、相続放棄はできません。

例えば、もし負の財産を相続することになっても自ら放棄できないため、すべて相続させられるリスクを考えると、成年後見人の必要性が出てきます。

 

認知症の程度によって代理人は3段階に区分される

認知症も判断能力のレベルがあり、代理人も3段階に分けて区分されています。

  成年後見人 保佐人 補助人
対象となる方 判断能力が常にない状態の方 判断能力が著しく不十分な方 判断能力が不十分な方
代理権の範囲 財産に関するすべての法律行為 申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」

認知症の人がどの区分に該当するかは、医師による判断が必要となりますので、親族や家族が区分を指定して手続きを行うことはできません。

判断能力のレベルに応じて、すべての法律行為ができる成年後見人から、関与できることが制限される保佐人、補助人と分かれています。

 

成年後見人のメリット

成年後見人をつけるメリットを見ていきましょう。

●遺産分割協議に参加

遺産分割協議への参加は最大のメリットと言えます。

亡くなった方が遺言書を書いていない場合には、遺産分割協議で財産を分ける必要があります。

認知症の人は判断能力がありませんので、相続が不利な状態にならないよう成年後見人をつけることで、スムーズな協議と財産を守ることができます。

●財産管理や税務申告など手続き

成年後見人は財産に関する一切の代理が認められているため、認知症の人が相続した財産の管理も任せることができます。

また税務申告も代理することで、申告漏れなど不測の事態も防げます。

 

成年後見人のデメリット

次に、成年後見人をつけるデメリットも見ていきましょう。

●申し立てに手間と時間がかかる

正式に成年後見人として動くことができるのは、申し立てから2~3ヶ月後くらいからです。

また、申し立てには診断書の提出や家庭裁判所での聴取もありますので、手間と時間がかかります。

申し立てには時間の余裕としっかりとした準備が必要です。

●財産の運用ができない

成年後見人の役割は、財産を守ることです。

ですから、認知症の人が取得した財産を運用したり、生前贈与したり節税対策ができません。

また、成年後見人自身が資産運用をすることは、財産が減る可能性がありますので、おこなうことはありません。

 

まとめ

成年後見人をつけるメリット・デメリットをご案内しました。

認知症の人が遺産分割協議に参加するためには成年後見人は必要ですが、法定相続通りに財産を分ける場合は、遺産分割協議の必要はありません。

では、成年後見人も必要ないのかというと、さまざまな手続きや相続税申告では必要性が出てくるかもしれません。

成年後見制度を利用したほうが良いのかお悩みの方、すでに認知症の家族がいる方、将来認知症になるかもしれない不安を抱えている方。

一度、相続に詳しい専門家へご相談ください。

 

 

 

 

「相続ラウンジ」のご案内

相続税,相続,浦和,さいたま市,埼玉,相続税申告,大宮,税理士

 

埼玉(さいたま)浦和で相続税相談ならお任せください!

お問い合わせはこちら→【埼玉あんしん相続相談室 お問い合わせメールフォーム

フリーダイヤル:0120-814-340 ◆受付9:00~18:00

 

新着情報の最新記事

ご相談は無料です、お問合せ・ご予約はお気軽にどうぞ 0120-234-567 受付時間9:00-18:00 夜間土日祝日要相談 浦和駅から徒歩5分 ネットでの相談予約はこちら
  • 無料相談はこちら
  • 料金表はこちら
  • 新着情報はこちら