相続登記の義務化で注目される「法定相続情報一覧図」とは
更新日:2025年10月3日
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2024年4月から相続登記の義務化が始まりました。これにより不動産を相続した方は、相続開始から3年以内に登記を行わなければならず、怠れば過料の対象となる可能性があります。
この改正をきっかけに「相続の手続きは複雑になったの?」「戸籍を集めるのが大変そう」という不安の声が多く聞かれるようになりました。
そうした背景から、ここ数年で特に注目されている制度が「法定相続情報一覧図」です。

法定相続情報一覧図とは
法定相続情報一覧図とは、亡くなられた方の戸籍や住民票などをもとに相続人関係を一覧にまとめ、法務局が認証する書面のことをいいます。
本来、相続手続きを行うには、被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて揃え、銀行や証券会社、法務局などの窓口に提出しなければなりません。
戸籍の束は十数枚に及ぶことも珍しくなく、提出のたびにコピーや原本を準備するのは大きな負担です。
そこで法定相続情報一覧図を作成すれば、相続人関係が一目でわかる資料として活用でき、戸籍一式を何度も提出する手間を省くことができます。
利用できる場面
この一覧図は、不動産の相続登記はもちろん、銀行口座や証券口座の名義変更、相続税の申告、保険金の請求、自動車の名義変更など、相続に関する幅広い手続きで利用できます。
私たち専門家の立場から見ても、相続に直面したご家族が最初に準備しておくと、その後のあらゆる手続きが格段にスムーズになるので作成をおすすめすることも多く、ご依頼いただければ代理で作成するサービスもご用意しております。
作成するメリット
この一覧図の最大の利点は、相続人が何度も戸籍を出さなくて済むことです。
金融機関によっては原本を求められるケースもありますが、それでも一覧図があることでほとんどの手続きが効率化されます。
戸籍の原本を守りつつ、必要に応じて無料で交付を受けられる点も安心材料です。
相続手続きの現場では、「あの銀行では戸籍を全部出したのに、別の窓口でまた同じものを要求された」という声をよく耳にします。こうした二度手間を避けられるのは、相続人にとって大きな負担軽減につながるでしょう。
提出した原本は返却希望を伝えれば、返ってくることがほとんどです。ただし、相続登記の際は原本の提出となります。
作成の流れと専門家が関与する意味
一覧図を作成するには、被相続人の出生から死亡までの戸籍、住民票の除票、相続人の戸籍などを揃え、相続関係を図式化した「相続関係説明図」を作成して法務局へ提出します。
形式自体は決められていますが、戸籍の収集や関係説明図の作成は慣れていないと難しく感じる部分です。
特に、認知や養子縁組、婚姻歴の有無などがある場合、戸籍の読み取りには注意が必要です。
相続人を一人でも漏らしてしまえば一覧図は受理されません。
専門家が関与することで、見落としなく正確に作成でき、その後の相続登記や各種手続きが安心して進められるのです。
なお、戸籍の収集は手間がかかりますが、実は広域交付が始まっていますので、本籍地以外でも取得できる方法があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください:「相続で面倒な「戸籍取得」が楽になる!2024年3月から本籍地以外でも取れる」
注意すべき点
ただし、この制度にも留意すべき点があります。
相続人が確定していない段階では作成できず、もし後から相続人が判明した場合には再度作り直しが必要になります。
また、一覧図の利用を認めていない金融機関が一部存在するため、利用先によっては戸籍原本の提出を併用する場面が残っているのも実情です。
こうした点も含めて、実際にどこまで活用できるか、事前に確認しておくことが大切です。
まとめ
相続登記が義務化された今、相続手続きを効率的に進めるために「法定相続情報一覧図」は欠かせない存在となっています。
無料で発行でき、繰り返し利用できるため、相続人の負担を大きく減らすことができるでしょう。
私たち専門家の立場からすると、この書類は相続に直面した方にとって「最初に手をつけるべき実務的な準備」といえます。相続で戸惑わないために、ぜひ早めの準備をおすすめします。
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