養子縁組が相続税対策に有効なのか?相続税専門家が教えます!
相続税の対策として養子縁組をお考えの方はいらっしゃいますか?単純に法定相続人も増えるし、対策としては良いのでは?と思いますよね。メリットがある分、デメリットもあります。判例も交えてご紹介致します。
対策として養子縁組のメリット
相続税の節税対策として養子縁組制度を利用する、という方法を聞いたことがあると思います。
養子には2種類あり、①特別養子縁組②普通養子縁組があります。どちらも親子関係の無い者同士を法律で親子関係とするものです。相続税を計算するには法定相続人の数の影響はとても大きいです。
民法に定める相続人が多いほど基礎控除額が大きく変わります。
平成27年の税制改正によりその金額は減額されましたが、影響が多いことには変わりありません。養子縁組によって1人相続人の数が増えることによって600万円基礎控除額が多くなるのです。
デメリットもきちんと理解しましょう
養子縁組を利用して法定相続人を増やす場合に、その数に認められるのは
- ① 被相続人に実子がある場合・・・1人
- ② 被相続人に実子がない場合・・・2人
と定められています。多数の者と養子縁組を結んだからと言って全ての者が法定相続人の数に認められるわけではないのです。
また、養子縁組制度を利用して法定相続人となった者と実子とが、実際に相続が開始した後に遺産分割協議の際に争続になることも想定しなければなりません。養子となった者を被相続人がどのような目的で迎えたか、また実子・養子がその被相続人の意図を充分に理解し、受け止めているのかが重要であると言えるでしょう。
また代襲相続人の身分でない普通養子は相続税額が2割加算されてしまうことも注意すべき点と言えるでしょう。
例えば養子が一人増えたらどうなる?
実際の基礎控除額の計算は以下のとおりの違いがあります。
養子縁組なし:被相続人と配偶者とのあいだに実子が2人の場合
3,000万円×(600万円×2人)=4,200万円
養子縁組後:上記例+養子1人
3,000万円×(600万円×3人)=4,800万円
ただしトラブルに注意!
先述したように実子と養子との関係性において養子縁組にまつわる裁判で以下の判決が出たことがあります。
「裁判で有効性が争われたのは2013年に死亡した福島県の男性(当時82歳)と、長男の息子(孫)との養子縁組。家族関係が悪化し、長女と次女が縁組の無効を求めて提訴した。2審は、長男が税理士を連れて節税メリットを男性に説いたことから「相続税対策が中心で男性に孫と親子関係を創設する意思はなかった」とし、縁組を無効と判断した。有効と無効の判断基準は示さなかった。
最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は31日、「節税のための縁組でも直ちに無効になるとは言えない」とする初判断を示し、無効とした2審・東京高裁判決を破棄する判決を言い渡した。有効とした1審・東京家裁判決が確定した。節税目的の養子縁組は富裕層を中心に行われているとされ、現状に沿う判断となった。
小法廷は「相続税節税という動機と養子縁組に必要な『縁組の意思』は併存し得る」と指摘。今回は「縁組の意思がないことをうかがわせる事情はない」と判断して縁組を有効とした。」
相続税の節税対策での養子縁組は有効か無効かという問題がありました。
やはりこの判決が出たことで養子縁組がご家庭に良い影響か悪い事態を招くか考える必要があるということです。
まとめ
普通養子縁組制度は、市役所での手続きです。婚姻届を出すのと変わらないものです。
しかし、その目的が相続税の節税対策である場合は、様々なことを想定しリスクがない、もしくはリスクが無い状況を作ることが大切です。
上記に法定相続人の数に含まれない場合があると記述しましたが、逆に含まれる場合もあります。まずは現状を把握すること、その上で養子縁組を行う前に出来ることはないか。など充分に検討することが必要です。民法は相続税法など様々な専門知識が必要になりますので、事前に専門家へ相談し充分な対策の必要があるでしょう。
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