相続人調査と財産調査
相続とは、亡くなった方の財産や権利・義務を相続人が引き継ぐことを言います。
相続というと「どの財産を相続するのか」「相続税がいくらになるのか」といった点に意識が向きがちですが、その前提として、誰が相続人になるのかを正確に確定することが不可欠です。
相続人が確定していなければ、遺産分割協議や相続税申告を進めることはできません。
「だいたい分かっているから大丈夫」と思って調査を省略してしまうと、後になって思わぬ相続人が判明し、手続きをやり直さなければならないケースもあります。
特に遺産分割協議がまとまった後に相続人の見落としが発覚すると大きな負担を生じることになります。
相続人調査と法定相続
誰が相続人になるのかは、民法で定められており、これを「法定相続人」といいます。
相続人調査では、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて確認し、法定相続人を確定させます。
具体的には「戸籍謄本」「除籍謄本」「改正原戸籍」などを収集し、婚姻や離婚、認知、養子縁組などの履歴を確認します。
この調査を怠ると、相続手続きが長期化したり、親族間でのトラブルに発展したりする可能性があります。
相続人調査は、相続手続き全体のお題となる重要な作業であり、最初に確実に行っておくことが大切です。
「相続人が誰になるかくらい、だいたい分かっている」と安心せずに、しっかりと戸籍を収集して、調査しましょう。
戸籍を収集について
戸籍とは、夫婦と未婚の子を単位として身分関係を公的に記録したものです。
相続人調査を行うためには、本籍地にある市区町村町役場で戸籍を取得する必要があります。
本籍地が遠方にある場合や役所に出向くことが難しい場合には、郵送での請求も可能です。
戸籍を請求できるのは、原則として戸籍の構成員や直系親族などに限られますが、専門家に依頼することで手続きを進めることもできます。
※2024年3月から「広域交付制度」の開始により、本籍地以外の市区町村役場でも請求ができるようになりました。
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相続財産の調査について
相続ではプラスの財産だけでなく、借入金などのマイナスの財産も含めて引き継ぐことになります。
原則として、相続は「すべて引き継ぐ」か「すべて放棄する」かのいずれかであり、都合の良い財産だけを選ぶことはできません。
そのため、相続が発生した後の早い段階で、相続財産の全体像を把握することが重要です。
特に、相続放棄や限定承認を検討する場合は相続開始から3ヶ月以内という期限があるため、財産調査を速やかに行う必要があります。
みなし相続財産について
相続税の計算においては、被相続人が直接所有していた財産だけでなく、「みなし相続財産」と呼ばれるものも課税対象になります。
代表的なものとして、死亡保険金や死亡退職金などが挙げられます。
これらは相続財産そのものではありませんが、相続税の計算上は相続財産と同様に扱われます。
そのため、相続財産を調査する際には、どの財産が課税対象になるのかを正確に確認しておくことが重要です。














